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【調査研究】SiC関連市場調査 新レポートを提供開始 〜注目されるSiC市場の現状と展望〜

素材・材料とその応用市場を中心にした市場調査、分析を行う株式会社アルゴバース(本社:東京都千代田区)は、この度、「注目されるSiC(炭化ケイ素)市場の現状と展望」の調査レポートの提供を開始しました。本調査レポートはSiC関連市場の現場を明確に捉え今後の市場展望を独自に調査分析した内容となっています。

【概要】

 ファインセラミックスであるSiC多結晶の市場としては、半導体用途、自動車用途、産業用途に大きくわかれます。

 半導体市場全体は、2019年まで未曾有の成長をしました。その後いったん不況になった後2020年に大きな需要が期待されました。しかし、コロナ禍により材料供給問題などが発生して市場が停滞した結果、昨年の2022年はマイナス成長となりました。2023年以降は、コロナ禍の終焉により半導体市場の大幅な伸びが期待されています。このような中、半導体用途である拡散炉用部材やエッチャー用部材としてのSiCは半導体市場動向にリンクする形で需要が変化するでしょう。このほか、化合物半導体の製造工程で使われるサセプターは、新しい市場であるマイクロLED用としてカーボン+CVD-SiCコートに対して競争力を持つと考えられます。

 自動車用途としては、かつて非常に注目されたディーゼル車用ハニカムがEV化の普及とともに需要が低下し、以前ほどの勢いがなくなってきています。主なメーカーである日本ガイシやイビデンは年間100億円以上の売上実績を確保していましたが、今後は需要の縮小とともに事業は伸び悩むでしょう。

 産業機械用、電子用、工業炉用等の用途については、SiCの市場規模が小さく大幅な伸びは期待できません。一方、パワーデバイス用として注目されているのが、SiC単結晶であるSiCウエハです。BEVやプラグインハイブリッド車の大幅な市場拡大を受けて、SiCウエハの市場規模は大幅な伸びを示そうとしています。欧州ではSTMやインフィニオンや米国のオンセミなどのパワーモジュールメーカーの実績が急増しており、国内メーカーも続々とこれに対抗すべく投資を行っています。しかし、この業界の問題としてSiCウエハメーカーが極端に少ないことが挙げられ、現在は米国の2社への依存度合が高くなっています。近年、中国のSiCウエハメーカーが力をつけてきており、いずれはそちらからの大量の供給が期待されます。その中で日本のSiCメーカーはどのように戦略を練っていくのかが注目されます。

 その他、複合材(MMC、BN複合材等)については、当初は液晶製造装置用や半導体製造装置用などの構造部材が先行しましたが現在は車両用の大型放熱板といった機能部材が拡大しています。とくに、市場性が高まっている次世代通信の基地局やアンテナ用等には膨大な放熱材の需要が見込まれており、多くの材料(樹脂複合材、金属複合材、セラミックス等) がシェア争いを繰り広げています。

 本調査資料はこうした SiCをとりまく市場動向について、原料、製品の現状を調査し、今後の展望を独自に分析しています。

(調査期間: 〜2023年5月、体裁:A4版タテ、約100ページ、レポート価格:380,000円(税込み:418,000円)※英語でのご提供可能です。翻訳料別料金。

 

なお、2022年以降の素材関連調査は、全8本ありタイトルは以下のとおりです。その他、無機材料、新金属、応用市場などの分野で調査を行っています。

・注目されるAlN市場の現状と展望(2023年3月)

・注目されるハイパワー市場の現状と展望(2022年12月)

・注目される次世代通信市場の現状と今後の展望(2022年11月) 

・次世代電池市場の現状と今後の展望(2022年8月)

・注目されるSi3N4市場の現状と展望(2022年6月)

・半導体セラミックス市場の現状と今後の展望(2022年5月) 

・大型Liイオン電池用材料市場の現状と今後の展望(2022年4月)

 

調査タイトル一覧ページ: https://argo-ms.com/market-tech-research/

調査項目の確認、お問い合わせ: https://argo-ms.com/contact/ (担当:営業企画部)

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