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(ブログ)NFTってなんだろう?基本的なNFTのやり方と身ぐるみはがされないための注意点

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(初期に作成したアバター)

メタバースに関連する言葉として「NFT」があります。誰かから「NFTって何?」と聞かれたら、あなたはどのように答えますか?

これ、的確に回答するのはけっこうむずかしいです。NFTとは「代替不可能なトークンという意味の英語でNon-Fungible Tokenを略したものです」と説明してもなんのこっちゃかわかりませんね。もうちょっと丁寧に説明しようとして、「ブロックチェーン技術によって、デジタルデータに代替不可能(替えが効かない)固有の価値とつけたもの」というと、もっとわからなくなって、そもそもブロックチェーンって何?ということになります。このあたりをきちんと解説しようとすると、それなりのボリュームになります。

僕は「今のところ」これらのブロックチェーンとかNFTといったものと、メタバースは別に考えた方がいいのではないかと思っています。だからここではこれらを詳しく解説しません。

しかしそうはいっても、お互いに親和性が高いのは事実で、近い将来同じ土俵で動くことになるでしょう。だから難しいことは別にして、とりあえずNFTを取り扱ってみた自分の経験から、まったくNFTを扱ったことがない人がどのような手順でやればよいのかというのを簡単に示してみます。

(1) まずは何はともあれ、何かNFTにするものが必要です。僕は自分の撮影した写真をデジタル加工してデジタルアートを作りました。このデジタルアートをNFTにすることでNFTアートになるわけです。デジタルアートを制作するにはPhoto ShopやIllustratorといったソフトを使います。これらの使い方がわからないという方は、撮影した写真だけでもNFTにすることはできます。ただし、この場合には誰かがつくったもの(建造物など)を撮影してそれをNFTにして売ることはNGなので注意が必要です。あくまで、オリジナルの作品であるべきなので、植物など自然物の撮影がよいでしょう。NFTアートとしてどのようなものが価値を持つのかということは本来探求すべきところですが、ここではとりあえず自分の撮影した写真やそれを加工したものを一応アートということにしておきます。そうでないと先に進みませんので。

(作品1)(

(2) さて作品ができましたので次にこれを販売してみましょう。いえ、売れるか売れないかは別としてまずはそれを販売する市場(マーケット)に出品するといった方が適切です。そのためにはまずウォレットというものを作ります。僕はメタマスクというウォレットを利用しています。ウォレットを作ったら、自分の作品を出品するマーケットを決めます。僕はOpenSeaというマーケットにしました。ここのアカウントを作ったら、ウォレットとマーケットを連携させます。このあたりの具体的な手順についてはWEBで検索するといろいろ出てきますから、ここでは省略させていただきます。ここではあくまでどういう流れかという説明に重点を置きます。

(作品2)

(3) これで一応出品できるようにはなったのですが、ここからさらに関門があります。それは仮想通貨の問題です。暗号資産という言い方もあります。基本的に同じだと思っていただいて結構です。実際、仮想通貨にはいろいろ種類があって、最初はどれがどれだかよくわかりません。また仮想通貨を扱うには取引所に口座を作らなければなりません。暗号資産取引所には、ビットフライヤー、コインチェック、DMMビットコイン、GMOコインなどがあります。どれも比較的口座開設は簡単ではありますが、なんだか未知の世界なのでとても不安になります。でもこれがないとマーケットで取引できないのです。口座開設が無事できれば、出品できる体制は整いました。

 

ということで僕もやっとの思いでここまで準備して、OpenSeaに出品の手続きをしました。その際に、自分の作品がNFTになるのでこの段階でこの作品は本物ですというお墨付きがつきます。

このようにして実際出品したのですが、当たり前といえば当たり前ですが、マーケットに出品しただけでは何も起こりません。ご自身がもともと著名なアーティストでファンがたくさんいらっしゃる場合などは別として、僕のような凡人がNFTアートと称して作品をつくってNFTマーケットに出品しても。。。。。。何も起こりません。

これはWEB1.0のときにホームページを作って集客してたくさんの売り上げを上げた事例をみて、ちょっと遅れて自分も適当にホームページを作ってみたら何も反応がないというのにとても似ています。あるいは、WEB2.0でいえば、たとえばインスタグラムにおいてフォロワーがすごいことになっている人を真似して自分もインスタグラムのアカウントをつくってとりあえず写真アップしてみても、ちっともフォローしてもらえないのと同じです。

つまり今回の場合、自分のアートに向けて集客をしない限り、ただNFTアートを出品したというだけでは売れないのです。当たり前ですね。これが1年ぐらい前だと、仮想通貨やNFTについてみんな訳がわからなくて、小学生がたまたま作ったNFTアートが数億円になったとか、そういう話が聞こえてきていたので、なんだか「自分も!!」と期待してしまうのも無理はないのですが、結論は「それは無理です!!!」。

そうなると、自分のマーケットに人を集めなければなりません。現在のところその手段はWEB2.0が主流です。つまりTwitterとかインスタグラムからそのマーケットに引っ張るのです。だから僕も自分のNFTアートのアカウントをインスタグラムに作ってこれをやってみました。NFT関連のハッシュタグをつけてみました。するとどうでしょう?即座にコメントがきます。でも、「Wow!」と思って即座にこれに反応してはいけません。特に英語のものは要注意です。結論をいうと、僕の感覚では99.9%は僕のNFTアートを評価してくれているのではなくて、僕から金をとろうとしているものです。さらにダイレクトメールでコメントきているものについては、詐欺が混じっています。本当に巧妙です。僕もウォレットのことなどよくわからなかったので、あやうくだまされるところでした。たまたま僕はガス代ということを知らずに僕のウォレットには何も入っていなかったので、何もないところからは詐欺できないので被害にあいませんでしたが、油断も隙もありません。詐欺師の言っていることがよくわからないので、僕はOpenSeaのサイトのヘルプに聞きました。OpenSeaのヘルプデスクはすごく丁寧にかつ迅速に対応してくれました。その結果OpenSeaが行うこととは別の要求が僕のところにきていることがわかり、これは詐欺だということになったのです。ここに至るまで、ヘルプデスクと何度かやりとりしました。もちろん全部英語です。そしてそのやり取りをしている間にも、OpenSeaを名乗るメールが来るのです!!OpenSeaのヘルプデスクから、「そういうのが来るから注意して!」といわれていたので区別できましたが、とにかく巧妙です。そしてすべてのサイトは英語だし、トランザクションシートの見方などもわからないし、ウォレットの●●を●●しろといわれてもよくわからないし・・・・ということで、いつどこで落とし穴にはまるかわからない状態です。まさにカオスです。知識も装備もないのに、いきなり夜中の南米のジャングルを一人で歩いてしまうようなものです。あっという間に食われてしまいます。

これがWEB3.0なのです。何か大きな力がコントロールすることのないユートピア的な発想ではありますが、逆に誰も管理していないので悪いものも放置状態です。自分の身は自分で守るしかないのです。自分の身を守るためには、僕たちはとにかく知識を持つしかありません。ジャングルとはどういうものかをちゃんと知らなければならないのです。しかもこのジャングルは、今までの長い歴史の中で知見が積まれたものではなくて、だれもが初めてのものであり、そして日々変化しているジャングルなのです。だから自分ひとりでジャングルにはいることはとても危険です。仲間(コミュニティ)に身を置いて、情報を共有化して少しずつ進むべきです。僕は自分の体験からこれを学びましたので、ここでお伝えしておきます。

僕たちはB to B企業としてメタバースとどうかかわって、メタバースをどのようにビジネスに生かすかというが目的です。NFTで一攫千金を狙うのとは違います。だからこのコラムではNFTのことはこのぐらいにして、メタバースとは切り離して考えていきたいと思います。


※この内容は、B to B企業のためのビジネスサイト「イノベーションズアイ」にて『B to B企業のメタバース、インダストリアル・メタバース基礎講座』第3回コラムとして公開しています。誰もが持つ素朴な疑問について、実体験をもとにご紹介しています。

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